社会福祉法人甲府市社会福祉協議会
清水建斗さん・松木知佳さん
職歴
清水さん:3年目 / 松木さん:6年目
ご本人の仕事内容
清水さん:地域住民の福祉課題や相談等に対応し、住民同士が支え合う地域づくりに取り組んでいます。またコミュニティーソーシャルワーカーとして地区社会福祉協議会への支援や福祉課題等を抱えた方の個別支援を行っております。
松木さん:甲府市ボランティアセンターの社会福祉士として、「ともに生き、ともに支え合うまちづくり」を目指し、広く市民にボランティア活動の実際を知っていただくとともに、ボランティア活動に関する広報や、啓発、情報の収集・提供等を行っています。また、ボランティア活動を行うきっかけづくりや、ボランティアの養成、またボランティアを必要とする人とボランティアをしたい人を結ぶコーディネート業務等を行っています
清水さんは採用3年目です。地域福祉推進課において、各地区の自治会長をはじめ、民生委員、福祉推進員など地域の皆さんと、地域住民が安心して暮らすことができる地域づくりを目指しています。
松木さんは採用6年目です。甲府市ボランティアセンターにおいて、ボランティアのマッチングにかかるコーディネートや養成講座の実施、お互いの交流を図るため、ふれあい交流フェスタの開催など、幅広い業務を担当しています。
職員同士のコミュニケーションを大切にしている職場環境の中で、いきいきと働き、仕事に、趣味に、子育てに日々全力で頑張っています。
地域の方々と接してお話をすると自分自身も刺激を受けることが多いです。
―入社の動機を教えてください。
清水さん:
大学時代に社会福祉協議会の存在を知りました。障害者施設へ実習に行ったときに、自宅へ帰りたいけど不安を感じて帰れない方々の声を聞き、地域の支えがあれば、在宅のケアが可能になるのではないか、そのお手伝いをしたいと考えました。
松木さん:
以前は、東京で異業界の営業や事務の仕事をしていました。会社の立ち上げに携わったこともありますが、先の展望に悩んで資格を取ろうと決心し通信教育で学んで社会福祉士の資格を取得しました。実習で故郷の山梨に来たことをきっかけに、生まれ育った甲府でできることがあるのではないかと思い立ちました。
―入ってみた職場の印象は?
松木さん:
自分達で仕事を作り上げる楽しさがあります。東京で働いていたときとは違ってスタッフが多くない分、与えられる仕事や責任の範囲が広いので、いろいろ考えることができて面白いです。一人一人の相談に、求められているものをカスタマイズすることにやりがいを感じています。
清水さん:
初めての職場で思ったことを実現できる環境だと感じています。地域づくりには決まったやり方や答えがあるわけではなく、毎日が勉強です。担当地域の方々と接してお話をすると、自分自身も刺激を受けることが多いです。
企画から運営まですべてに携われることと、職場の仲間に恵まれて皆で意見を言い合いながらより良いものを目指せることにやりがいを感じています。
―現在どのようなお仕事をされているのですか?また、仕事にまつわる苦労話や、やりがいを感じるとき、心がけていることを聞かせてください。
松木さん:
甲府市ボランティアセンターで、ボランティアをしたい人と来て欲しい人のコーディネートをしています。派遣するだけではなく、ボランティアの養成を行ったり、ボランティア間の交流、ボランティアの情報発信、災害ボランティアの受け入れなど、業務の幅は広いです。なかでもボランティア、障がい者、市民の交流を目的として甲府市総合市民会館で開催する「ふれあい交流フェスタ」では、座ったままできるレクリエーションダンスや手話ソングの発表会、点訳の体験ブースなど、発表やブースが盛りだくさんです。広報やボランティアニュースに情報を載せていますので、たくさんの方に来て欲しいです。
また、企画から運営まですべてに携われることと、職場の仲間に恵まれて皆で意見を言い合いながらより良いものを目指せることにやりがいを感じています。苦労といえば、ボランティアの方への連絡手段が一元化できずに電話やファクスや手紙でやりとりしなければならないことが多いです。一方で、皆さん、とてもエネルギッシュで仕事や介護などいくつも掛け持ちして活躍しているので、時間の使い方を参考にするよう心がけています。
清水さん:
地域福祉推進課で南ブロック9地区(伊勢、湯田、国母、大国、山城、大里、住吉、中道、上九一色)を担当しています。各地区の自治会長をはじめ、民生委員、福祉推進員など地域の皆さんと、地域住民が安心して暮らすことができる地域づくりを目指しています。独居世帯の声がけや見守りを推進し、お年寄りや障がいのある方、お子さんのいる世帯ともコミュニケーションをとって、困ったことがないか、どうすれば生活がしやすくなるか相談を受けるほか、ときには講師を招いて他地域の試みを学ぶ研修会も行っています。
たくさんの人と接することが多い分、賛同も反発もあります。その折り合いを見つけていくことが難しいですね。こちらの伝え方で、先方の受け取り方が変わってしまう。一度勘違いが起こると修正が難しくなってしまうので、説明の流れや言葉の選び方に気をつけて、カタカナはなるべく使わないなど工夫しています。やりがいを感じるのは「清水さん」と気軽に声をかけられる関係が築けたり、地域の方にとって身近な存在に感じてもらえたとき。心がけているのは、清水さんが何とかしてくれるではなくて、地域が自発的に動ける環境づくりをサポートするということです。
―趣味やリフレッシュの方法はありますか?
清水さん:
ヴァンフォーレ甲府の応援です!ホームの試合は毎試合観戦しています。学生のときには自分もプレーしていましたが、自分や仲間のことを考えて行動しなければならないピッチの中と応援席とは違う良さがあります。週末には友達と会って、余計なことを考えずに素のままで観戦するのが楽しいです。
松木さん:
今は子育ての最中なので趣味の時間を確保することは難しいですが、職場のストレスは小さな娘と話して発散させて、子育てのストレスは職場で仕事に集中して忘れます。小学校から高校に入るまで剣道をしていたので、いつかは親子でしたいです。
いろいろ経験してやりたいもの、自分に合った仕事を見つけて頑張って欲しいです。
―就職を考えるにあたり重要だと思うことは何ですか?
清水さん:
中学の頃、病気の子どもを支援するテレビの再現ドラマを見て、自分にもできることはないかと考え始めたときから福祉の仕事をしたいと考え続けてきました。今、好きな仕事に就けている状況ですが、そのためには、資格を取る努力もしました。好きな仕事をするために努力する。その上で、思っていた仕事に就けないときもそこに楽しみを感じられる心の持ち方が大切だと思います。
松木さん:
振り返ると「失敗の道を歩んできた」と思えるくらい20代は試行錯誤しました。その中で、手を差し伸べてくれるさまざまな制度があるのにそれを知らないで生きることの危うさを知り、必要とする人に必要な情報や支援を行いたいと思い社会福祉士の資格を取りました。失敗から学ぶこともあるので、いろいろ経験してやりたいもの、自分に合ったものを見つけて頑張って欲しいです。
―最後に職場としての甲府の魅力はなんですか?
清水さん:
甲府が好きなので、大学は埼玉へ出ましたが就職のときには戻りたいと思っていました。都会に比べ住みやすいし、緑がある、優しさがある。加えて、都会よりもつながりの深い地域性が甲府の魅力だと思います。
松木さん:
甲府は、都心に比べて多様な就職先の選択肢があるわけではありませんが、その分、自ら始めたり考えたりする環境が整っていると思います。東京のような満員電車もないし、時間の流れもせかせかしていません。なので、仕事が終わった後や、休日も家族とゆっくり過ごしたり、自分の時間を持ったりと、オンとオフの切り替え、子育てとの両立もバランスよく過ごすことが出来ます。
(聞き手)波木井園子さん
(撮影)芦澤絢名さん