【目次】
甲府市で操業している理由
甲府市で操業している一番大きな理由は、中村製作所のポリシーのひとつ「創業の地である甲府市下飯田の地へのこだわり」があるからだと思います。
祖父、父、私もここで生まれ育ちました。甲府市を中心としたエリアに生まれ育った社員もたくさんいます。
ここで生まれ、ここで育った企業として、この下飯田の地にしっかりと根を張っているからこそ、私たちの製品の品質や企業としての価値をみなさまからご評価いただいていると思っています。
私たちは、まず自分たちの生まれた土地や環境を守りながら、甲府市でより良い製品を作り続けていく、その挑戦を続けていきたいと思っています。
会社の特徴
弊社には、ノアの方舟伝説から命名した「Hall of Noah(ノア会館)」という福利厚生施設があります。
「Hall of Noah」では社員が休憩をとったり、年に1回のスポーツ大会の会場となったり、社員の交流の場にもなっています。
ご存じの方も多いと思いますが、ノアの方舟伝説は、世界が大洪水に襲われた時に方舟に乗った一部の人々や動物たちが、協力して生きながらえたという話です。
「Hall of Noah」は、この話の大洪水を不景気や天災に、弊社をノアの方舟に例えて、何があってもどんなに大変な苦難や困難があってもその船に乗っているチームナカムラのメンバーは協力して生き残っていこうという想いを形にしました。
また現在弊社の社是社訓として「家族の為、国の為、人類の為に」という言葉を掲げています。
これは祖父の代からのポリシー「自分たちの利益の為だけでなく、国や社会や人の為に一生懸命働く」がベースになっています。
社員にとって会社はただ働いてお金を得るためだけの場所ではない。
弊社は、社員が心に豊かさやゆとり、楽しみを持って働いていけるような環境づくりと、一生懸命働いて努力した分は必ず報いるという姿勢を貫いています。
その姿勢が、お客様から高い評価いただいている私たちの技術力と品質に表れているのかもしれません。
事業の特徴
私たちはアルミニウムを原料に、0.01ミリとか0.001ミリ単位の切削を行い、半導体製造装置の部品を製作しています。
半導体の製造装置がどのようなものか、すぐに思い浮かべられる方は少ないのではないでしょうか?
今私たちの生活に欠かせないスマートフォンやパソコン、自動車、家電製品など、その商品の頭脳に当たる半導体が必ず組み込まれています。昔はICチップ、LSI、もっと古い言い方だとトランジスタといわれていた半導体は、「産業のコメ」といわれてきました。
世の中になくてはならないもの作り出すための部品を私たちは作っています。
また弊社では、切削加工だけではなく、切削加工と電子ビーム溶接を組み合わせることで、難易度の高い複雑な部品の製作も行っており、お客様から非常に高い評価をいただいています。
社員教育
社員が技術を磨きたいと技能大会や資格取得などに挑戦する時には、全面的にバックアップし、社員ひとりひとりの「自分の持てる技術をもっと向上させたい」という意欲を支えています。
また日記制度を取り入れています。これは主任以上の社員が最近の出来事や今進めている案件などを日記に記録し、貼り出します。その日記を他の社員が読むことによって経営者や役職者の想いや会社運営の方向性、新しい試みへのチャレンジを全社員が共有します。
日記に記録された過去から学ぶ教訓をいかに現在に活かし、未来に繋げていくか、社員の意識の共有にも役立っています。
▲「hall of noah」には、経営者や各部署の日記も置かれていて、社員は誰でも閲覧することができる。
弊社では現在男性59名、女性13名が働いています。
女性の社会進出や活躍がいわれていますが、女性の観点というか、男性にはない女性ならではの目の付けどころがあると思います。
これからは女性を積極的に登用していきたいですし、女性ならでは発想や意識、価値観を私たちとともに活かしてほしいですね。
制度の面でも産休・育休制度はすべて整備しています。
どんな状況にある人でも働き続けられる、今まで以上の仕事ができるということを証明してもらう意味でもこの制度は是非使っていってほしいですね。
会社の抱える課題と解決に向けた対策
山梨県だけではなくて、日本全体で人口減、ひいては就業人口、働く人の数が減っていくということは間違いないですし、それはもう実際に肌で感じていることですね。
その対策としてまずひとつは、会社の中の業務のIOT化、AIを活用した自動化効率化を考えています。
与えられた環境の中でいかにうまく対応していくか、ただ物が足りないから欲しい、人が足りないから欲しいだけでは、ない物ねだりといいますか、キリがないと思います。
ですから自分たちの置かれた環境、たとえそこが厳しい制約があったとしてもそこを努力と工夫、改善、発想の転換などでいかに乗り切っていくか、これは弊社だけではないでしょうけれども、これからの日本の企業に求められていることだと思います。
これからの甲府のものづくり業界について
山梨県は富士山山嶺から湧き出す豊富できれいな水に恵まれたこともあり、ものづくりにおいては種を問わず、決して大きく目立つことはなかったかもしれませんが、長い間に渡り、日本の産業を支える一端を担ってきました。
世界の国々が徐々に日本に追い付け追い越せとばかりに力をつけている近年にあっては、むしろそれ故に日本が持つ技術が改めて注目されていると思うんですね。
今こそ、この地から甲府市から我々の誇る匠の集団の技をもってして世界に誇れる、ものづくりの強さを発信していくべき時だと思っています。
「こうふ開府500年」に向けての想い
甲府市で生まれ育った者として、甲府という地を中心に成長していく、甲府市が山梨県全体を引っ張っていくような立ち位置でいてほしいですね。
500年という節目を迎えるにあたって、市民である私たちが、改めて甲府市とはどんな歴史を歩んで今日に至るのかということに思いをはせる、学んでいく。そうすることによって、より一層甲府市をよい市に、山梨県をよい県にしていこうという思いに繋がるのではないでしょうか。
会社の未来について
我々が常々思っているのは「希望と夢」ですね。弊社で働く全ての社員が、同じ希望と夢、そして目標を持って仕事をし続けられる企業にしていきたいです。
そのためには会社の経営者が誰よりも努力し、どうすれば社員たちが前向きな気持ちで仕事ができるのか常に考えなくてはならないと思います。
我々の仕事が、人と社会と国家のために意義深いものとしてあり続けられるよう、努力を絶やさず困難を厭わず一丸となって頑張っていける会社にしたいですね。