株式会社ダイアート三枝
櫻田絵理香さん・李晟銀さん
職歴:
お二人とも2年目
ご本人の仕事内容:
櫻田さん:宝飾品の製造工程の中で組立・レーザーマーカー・仕上げ等の業務を担当しています。
李さん:お客様からお預かりする修理品やリフォーム品の加工を担当しています。
職場での役割:
櫻田さん:櫻田さんの担当している組立チームは、個別の作業依頼が多く、作業者には多能工としての幅広い技術力が求められます。高校卒業して間もない櫻田さんですが、新たな技術習得に貪欲に取り組んでいます。粘り強さと、丁寧で正確な作業が櫻田さんの強みです。
李さん:李さんの担当は、幅広い経験から得られる知識・高い技術力・コミュニケーション能力が必要とされる業務です。一つ一つの作業に真剣に取り組み、着実に経験を積み重ねています。李さんは、高い向上心を持ち、壁にぶつかりながらも、ひた向きに努力を重ねる人格の持ち主です。
櫻田さん、李さんともに入社2年目です。2人とも宝飾業界で働きたいという「夢」を甲府市の会社で実現しました。現在は、親切な先輩方に囲まれ、また成長を後押ししてくれる会社のバックアップを得て日々技術を磨いています。その成果もあり、2級技能者の資格を取得し、平成28年には技能五輪全国大会への出場や、「山梨県青少年技能者表彰」も受賞するなど、着実にステップを上っています。また、成長と生活の両立を目指す会社の方針もあり、一流の技術を習得する傍ら、休日は、絵画や楽器の演奏、中型バイクの免許取得などの趣味に時間を充てるなど、本当に充実した毎日を甲府で過ごしています。
―入社の動機を教えてください。
櫻田さん:
ものづくりの仕事がしたいと思い、県内の高校のクラフト部に入学しました。1年生の時にジュエリーの国家資格を取得し、宝飾業界への就職を目指そうと思いました。デザインしたり、絵を描くことが好きなので、自分でデザインしたジュエリーを、いつか家族や友人はじめ、お世話になった方にプレゼントしたいという夢があります。
李さん:
幼い頃からジュエリー業界に入りたいという夢があり、県内の宝石美術専門学校に入学したところ、先生や先輩、業界の方々から度々名前が上がる会社が「ダイアート三枝」でした。そんな時に山梨ジュエリーミュージアムの展示会で、会社の方に偶然出会い、応援とアドバイスをいただけたことが、今の良いご縁へと繋がりました。
取材メモ
会社の掲示板には、「今日のありがとう」のコーナーがあり、仕事を通じて、その日気付いた「ありがとう」の言葉を個人別に貼り出してありました。書いた人と言葉をもらった人のコミュニケーションが良くなるだけでなく、誰が何に困っていて、どうしてあげれば喜ばれるのか、職場の情報共有にも役立っています。
お客様の大切なジュエリーの修復は、替えの効かない緊張感のある仕事です。その分、仕事を完成させたときの達成感は何とも言えません。
―現在どのようなお仕事をされているのですか?また、仕事にまつわる苦労話や、やりがいを感じるとき、心がけていることを聞かせてください。
櫻田さん:
留め・組立チームに所属しています。商品の組立や仕上げなど、後戻りのできない重要な工程を担当しています。覚えることが毎日のようにあるので、習ったことは覚えなきゃいけないし、それを実践できるように鍛錬していかなければなりません。初めての仕事は1人ではできないし、先輩に助けられたり、失敗したり、時間がかかったり。でも、何回か仕事をしていくうちに道具の使い方に慣れてきて、前よりきれいに仕上がると本当に達成感を感じます。
李さん:
留め・組立チームの後、リペア(修復)チームに所属しています。ジュエリーの修理やリフォーム、仕上げが担当です。修理の仕事は、いかに元の形と同じに仕上げるかが大切です。また、伝票の文書からお客様が求めているものを読み取る必要もあります。そして、お客様の大切なジュエリーを、お客様の求める形に上手に修復できたときには、「やった」という気持ちになります。次回の修理もまた担当できたらなと思いつつ、替えが効かない緊張感と成果が目に見える楽しさを感じています。
取材メモ
お二人は平成28年「山梨県青少年技能者」表彰(知事表彰)を受賞しました。これは、お二人が全国技能五輪の山梨県代表選手になるなど、人格、技能ともに優れた優秀な青少年技能者として認められたことから受賞したものです。
―趣味やリフレッシュの方法はありますか?
櫻田さん:
絵を描くことが好きなんです。週末には、人を描いたり、想像のシーンを表現する絵を描いています。それから、楽器を演奏することもあります。中高と吹奏楽部に所属していたので、ユーフォニウムという楽器を持っていて、気が向いたときには河原で吹いています。
李さん:
友人と一緒に、バイクの中型免許を取ったばかりです。近々バイクを買う予定なので、何に乗ろうか考えるのが楽しいです。高速に乗って、遠出もしたいですね。美味しいものを食べに行ったり(笑)
任された仕事を一日一日頑張っていきたいです。また、一日でも早く仕事を覚えて、次に続く後輩に教えてあげられるようになりたいです。
―就職を考えるにあたり重要だと思うことは何ですか?
櫻田さん:
今、明確でなくても、好きなこと、やりたいことを考えることが大切だと思います。そこがはっきりしてくれば目標ができるので、それに向かって勉強して、しっかりした態度で臨むことができるようになります。
李さん:
同じ業界でも、会社によって、やっている方向性や内容が違うということを意識すると良いと思います。例えばジュエリー業界でも、造り、デザインなど、会社の得意分野があると思うので、自分に合った選択ができたらいいですね。チャンスがあれば、関連業界の人に話を聞いてみる。そのためには出歩いて機会を見つけることも必要です。
―最後に今後の目標や抱負を語ってください。
櫻田さん:
櫻田なら大丈夫、と信頼される人になりたい。そのためにも、任せられた仕事を一日一日、頑張りたいと思っています。
李さん:
今は仕事を教わっている立場なので、一日でも早く仕事を覚えて、次に続く後輩に教えてあげられるようになりたいです。
(聞き手)波木井園子さん
(撮影)芦澤絢名さん